広い宿主域を持つと考えられる新たな結核菌群菌Mycobacterium orygisを、バングラデシュ及びネパールの複数の動物種の肺結核病変から分離した。その遺伝学的解析により、この飛沫感染を起こすと考えられる結核菌群菌が、これらの国々の野生動物の間で保持されている可能性が示唆された。また、ネパールにおいてゾウから分離されたヒト型結核菌の遺伝子解析を行ったところ、トランスポゾンの活性化によると考えられるゲノムの小規模な構造変化が観察された。これらの異種動物感染例から得られた菌株の遺伝学的解析により、結核菌群菌の宿主指向性に関与するゲノム上の領域が同定できる可能性がある。
|