研究課題/領域番号 |
24580450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
及川 伸 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (40295895)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 乳牛 / ケトーシス / 有病率 / リスク要因 / β-ヒドロキシ酪酸 / 非エステル型脂肪酸 |
研究概要 |
本年度は試験の初年度として、乳牛群における2型SCKの発生実態を掴むとともにリスク要因の調査を行うことを目的とした。試験立案当初は血液サンプルの採材にフィールドの産業動物獣医師に研究協力依頼をしていたが、2012年4月以降、転勤や組織改変のために協力者の構成および対象農家を再度調整しなければならなくなった。調査地域に何度か足を運び事前準備の立て直しを11月までかけて行った。当初対象調査の農場は100戸であったが、今年度末までに約20戸を確定し、血液サンプリングが実施され、血液検査およびデータのまとめは現在進行中である。 農場レベルでのSCK発生の評価をする場合、農場から相当数のサンプル採取が必要になるので、頭数が多くない農場では、採材者は数度訪問しなければならないという現実的に難しい問題が生じた。そこで、2型SCK発生状況をまずは地域レベルで評価するというように視点を広げた。すなわち、当初道東地区でのみ実施する予定であったが、北海道の数カ所の地域(道北、道央、道南)を対象として、その発生実態を地域レベルで比較する予定である。このため新たに研究協力者を5名程依頼することにした。これまでの調整により、本年度の遅れた部分はH25年度に実施する計画である。 また、上記の遅れをカバーするためにH25年度実施予定であった調査の一部を実施した。すなわち、大学近隣で牛群の健康管理を実施している農場において、2型SCKとの関係が問題視されている分娩前(乾乳期)のエネルギーの低下状態(NEB)と飼養環境との関連性について疫学的に分析した。調査期間は2008から2011年であり、計212頭を追跡調査した。その結果、乾乳期の飼養スペースが牛1頭あたり9.2㎡以下になった場合にNEBの発生が明らかに高まることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試験立案当初は研究協力者としてフィールドの産業動物獣医師を血液のサンプリングに依頼していたが、2012年4月以降、転勤や組織改変のために協力者をはじめ対象農家を再度調整しなければならなくなったために、試験の遅れを生じた。 事前準備の立て直しを行い、年度内にある程度試験を進めることができた。また、農場レベルでの比較試験ではサンプリング回数が多くなり現実的でないことも想定されたので、まずは地域レベルでの比較として試験展開をするように視点広くした。そのために協力者を再度依頼し、計画を再構築してきているので、H25年度には遅れを取り戻す予定である。 なお、このような状況に鑑み、H25年度に実施予定であった調査の一部をH24年度に前倒しで実施して、一定の成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度分の遅れをH25年度に取り戻す予定である。なお、本試験はフィールドスタディのため多くの農場からのサンプルが要求される。そのため、研究協力者との連携は重要である。当初予定していた農場レベルでのSCK発生率の比較は目指したいところであるが、農場からのサンプリングの都合上、地域あるいは季節における発生比較が現実的と判断されたので、そのように研究を広角に展開予定である。また、SCKの病態把握も現実的にサンプリングができる設定にアレンジを加え、分析内容をより詳細にリポタンパク質レベルで実施する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使用計画としては、血液検査関係(検査料、検査資材等)、出張旅費関係(現地打合せ、サンプリング、研究情報収集等)、データ分析関係(分析機器、資材等)およびその他(論文作成に係る事項等)を計画している。
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