研究課題/領域番号 |
24580456
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山崎 真大 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (40322846)
|
研究分担者 |
大田 寛 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 助教 (50431333)
滝口 満喜 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 教授 (70261336)
|
キーワード | Babesia gibsoni / heat shock protein 90 / 組み替え蛋白質発現 / 抗Bghsp90抗体 |
研究概要 |
犬に感染する赤血球内寄生原虫であるBabesia gibsoniのheat shock protein 90 (hsp90)について、平成25年度は以下の研究を行った。 平成24年度には、組み替えhsp90蛋白質の作成のためにプラスミドを作成したが、これを大腸菌内に取り込ませ、大腸菌を用いた組み替えBabesia gibsoni hsp90 (Bghsp90)の発現を実施し、組み替えBghsp90蛋白質の作成に成功した。大腸菌の大量培養を実施することでこれを大量に発現させ、組み替え蛋白質に結合させたHisタグを利用して組み替えBghsp90蛋白質を精製した。さらに、組み替えBghsp90蛋白質をウサギに免疫し、ウサギの体内でこの蛋白質に対する抗血清を作成、さらに抗血清から組み替えBghsp90蛋白質を用いてアフィニティー精製を行ってウサギ抗組み替えBghsp90ポリクローナル抗体を作成した。 この抗体がB. gibsoniのhsp90に特異的に結合することを確認した後に、これを用いてウェスタンブロッティングおよび免疫染色を行い、B. gibsoniの持つBghsp90蛋白質を検出、定量することに成功した。 そこで、これらの技術を用いて、B. gibsoniの野生株、ならびに抗原虫薬であるジミナゼン製剤に耐性を持つ耐性株のhsp90量を比較し、耐性株ではhsp90発現量が減少していることを明らかにした。この結果は、昨年実施したリアルタイムPCR法を用いた遺伝子発現量の定量を行った実験とよく相関したことから、B. gibsoniのジミナゼン耐性株ではBghsp90の発現量が低下していることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度には、抗組み替えBghsp90抗体抗体の作成を作成することを一番の目的としており、これを達成した。また、この抗体を利用して免疫学的にBghsp90蛋白質を検出することに成功したため、当初の計画通り研究は進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画のとおり、平成26年度はこれまでに作成したリアルタイムPCRおよびウェスタンブロッティングの実験系を利用し、ストレス環境下におけるBghsp90蛋白質の発現量の変化を観察すると共に、hsp90の阻害剤であるゲルダナマイシンなどを利用して、hsp90を阻害した場合のBabesia gibsoniの増殖の変化を観察する。
|