本研究では、骨髄間質細胞を用いた軟骨再生医療を行うことにより変形性関節症の根治を目指した研究を行った。犬の骨髄間質細胞は、軟骨分化誘導培地を用いて軟骨様組織へと分化することができた。また、無血清培地を用いて犬の骨髄間質細胞を増殖させ軟骨への分化誘導を試みたところ、従来の分化培地よりも増殖能は優れていたものの、軟骨分化能に関しては議論の余地が残った。軟骨細胞の定着に適した足場基材について検討したところ、犬の培養軟骨の素材として、メビオールジェルが最も有用である可能性が示唆された。最終的に、犬で軟骨再生医療を実現化するために、非侵襲的で最適な関節鏡視鏡手技を確立し、臨床応用の礎を築いた。
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