研究課題
2014年度は、ネコを対象としたβ3アドレナリン受容体(ADRB3)の多型調査、およびイヌADRB3を対象としたin vitro発現実験を行った。猫21頭を対象としたADRB3のSNP検索を行ったところ、14頭において塩基配列の変異が見られ、Exon1領域で5種類のSNPを発見した。そのうち4種類が同義置換、1種類が非同義置換であった。この同義置換はc869gの変異であり、これによってアラニンからグリシン(Ala290Gly)へのアミノ酸の変化が推定された。また、ヒトにおいて肥満との関連が推定されているt190c相当部位について調べたところ、全ての個体で肥満型のヒトや正常なイヌと同じアミノ酸配列を示し、ヒトにおける肥満型は哺乳類全般においてむしろ一般的であると考えられた。前年度までに発見したイヌADRB3遺伝子の中から代表的な4つの遺伝子型(野生型、c749t、c1121g、c1184a)を対象に、機能解析を目的とした受容体発現実験を行った。これらのSNPを持つ犬から得られたADRB3遺伝子全長をPCRにて増幅し、制限酵素サイトを付加したプライマー対を用いて再度PCRにて遺伝子導入用フラグメントを増幅した。これらをpGEMプラスミドにライゲーションし、DH5αでトランスフォーメーションを行って増幅、目的の配列を確認した後に制限酵素切断にて導入配列を切り出した。HAtag付加産物をpMACS-HA-(C)に、HAtagを付加しない産物をpcDNA 3.1(+)にライゲーションし再びDH5αにて増幅した。全ての産物について目的配列を確認し、精製プラスミドDNAを抽出した。作製した発現ベクターを、リポフェクション法を用いてHEK293t細胞に導入・培養し、タンパク質を抽出してWestern Blot法による受容体の発現解析を行ったところ、全ての検体において発現が確認された。
すべて 2015
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Journal of Veterinary Medical Science
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