研究課題/領域番号 |
24580469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
原田 恭治 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (70398882)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 再生医療 / 脊髄再生 / 骨髄移植 |
研究概要 |
A動物症例に対する骨髄単核細胞自家移植の臨床試験 犬の椎間板ヘルニア最重症例(グレード5)に対して骨髄単核細胞移植術を行った。術後定期的に検査を実施し、運動機能の回復過程を記録した。また、動物用歩行解析システムの構築を開始し、現在までにフォースプレートと高速度カメラの同期化に成功した。 B脊髄損傷ラットモデルを使用した動物実験 ドロップタワーを用いた重錘落下法により、脊髄損傷ラットモデルを作製した。さまざまな高さ条件にて試験的実験を行い、本研究の条件に最適となる落下距離を確認した。また、採取した脊髄を矢状断面にて分割し、組織切片を作製した。作製した組織切片に対して免疫染色などを行い、染色条件の設定も確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までの調査により、骨髄単核細胞の移植は、犬の椎間板ヘルニア最重症例(グレード5)に対して、臨床的な効果の認められることが示された。動物症例に対する臨床試験は予定を達成できていると評価している。このような治療法により、臨床症状の改善(運動障害の改善)する割合は、骨髄単核細胞を移植していないコントロール群に比較して有意に高い割合を示したため、今後は単核細胞の移植効果が示す脊髄再生のメカニズムについて調査をしていく予定である。動物実験に関してはモデル動物の作製条件を設定する段階まで達成しており、今後はGFP細胞の移植を含めた動物実験を順次実施していく予定である。高速度カメラとフォースプレートを用いた動作解析システムの構築に関しては、今後生体定数の計測を行うのみである。総じて、研究全体の達成率は研究計画の30%程度であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
脊髄損傷ラットモデルを用いた動物実験:ドロップタワーを用いた重錘落下法により作製した脊髄損傷ラットモデルに対して、GFPラットから採取した骨髄単核細胞を移植し、移植細胞の脊髄再生に対する影響を組織学的に評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ラットを用いた動物実験に、次年度の研究費の約6割を使用する。ラットは1グループにつき6匹使用し、骨髄細胞移植後3日目、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目に安楽死後組織検査を実施する。同数のコントロール群と合計すると、最低60匹以上のラットと、10匹以上のGFPラットを購入する予定である。動物の購入以外には、麻酔薬や生理食塩水などの手術用試薬を購入する予定である。 残る3割の研究費で組織切片作成用の試薬(染色液や免疫染色用抗体など)を購入する予定である。 残りの1割を学会発表時の校閲費および旅費などに使用する予定である。
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