本研究では正常な犬の腹腔内臓器及び猫の胸管へのリンパ流路を明らかにすること、また、臨床的な応用を目指して、非侵襲的にリンパ流路を可視化するCT撮像及び腹腔鏡による観察条件の設定など、その有用性を調べた。平成24年度は犬の前立腺および乳腺腫瘍症例でのリンパ流路を検討し平成25年度は犬の腹腔内主要臓器からのリンパ流路を検討した。平成26年度は猫の乳ビ槽及び胸管の可視化について検討した。その結果、乳腺、腹腔内の胃噴門部、膵臓及び前立腺等からのリンパ流路では各臓器特有のリンパ流路が立体的に観察され、各個体においてそれらはほぼ共通の走り方を示した。猫では胸管の走行のCTによる可視化に一定の目処が立った。
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