イネばか苗病菌(Fusarium fujikuroi)の中には、ブタ肺水腫やウマ白質脳症を起こすカビ毒であるフモニシンを産生する集団と産生しない集団が存在する。本課題ではフモニシン産生能喪失の原因を遺伝子レベルで解明した。喪失の原因変異はフモニシンの生合成に関わる遺伝子クラスター中の複数の領域に分散して存在していると推定された。そのうちの1つは他のフモニシン生合成遺伝子の転写制御因子となっているFUM21遺伝子中のg.2551G>T(p.G678*)置換であり、コードされたタンパク質のC末端側11アミノ酸が欠失することで機能を失っていると予想された。
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