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2014 年度 実績報告書

大気中の二酸化窒素による植物バイタリゼーション原因遺伝子の共発現解析とその解明

研究課題

研究課題/領域番号 24580477
研究機関広島大学

研究代表者

高橋 美佐  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10294513)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード二酸化窒素 / シロイヌナズナ / 植物バイタリゼーション / 花成促進 / 環境シグナル
研究実績の概要

本研究の目的は、大気中に含まれる二酸化窒素(NO2)によるバイオマス蓄積促進等植物成長促進作用(バイタリゼーション)の原因となる遺伝子と共発現する遺伝子群の解析を通じた同作用の分子機構の解明である。
まず、シロイヌナズナの第8葉について細胞動力学解析を実施し、NO2非処理区では播種後19-21、21-23および23-33日目にそれぞれ葉成長の第1、2および3 phaseにあることが分かった。また、NO2非処理区では全体に2日以上早くなることが初めてわかった。
これまでの研究から明らかとなった原因遺伝子VITA1と共発現する遺伝子群について公開データベースを用いて調査した。しかし、共発現遺伝子の情報が少なく(VITA1は機能未知であるためと考えられる)、遺伝子を特定するには至らなかった。そこで、VITA1の遺伝子破壊株(vita1)と野生株について、NO2処理区および非処理区植物体について、マイクロアレイ解析した。その結果、vita1では概日リズム関連遺伝子の発現が野生株比で抑制されることが新たに分かった。
また、これまでの研究からVITA1はバイオマス蓄積を促進するが花成は阻害する因子であることが分かっている。この結果から、VITA1タンパク質と相互作用する何らかの細胞内タンパク質の存在が予想された。すなわち、NO2処理によりVITA1タンパク質が増えバイオマス蓄積が促進されるが、同時にVITA1と相互作用する(花成阻害作用を抑える)細胞内タンパク質が増え、その結果花成が促進されると考えられる。そこで、最終年度においてVITA1と相互作用するタンパク質について酵母ツーハイブリッド法によりスクリーニングを行った。その結果,これまでに3つのポジティブなクローンが得られた。これらのクローンはバイタリゼーション作用分子機構の解明の有力な手がかりになると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Kinematic evidence that atmospheric nitrogen dioxide increases the rates of cell proliferation and enlargement to stimulate leaf expansion in Arabidopsis2015

    • 著者名/発表者名
      M. Takahashi, H. Morikawa
    • 雑誌名

      Plant signaling & Behavior

      巻: 10 ページ: in press

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Nitrogen dioxide accelerates flowering without changing the number of leaves at flowering in Arabidopsis thaliana2014

    • 著者名/発表者名
      M. Takahashi, H. Morikawa
    • 雑誌名

      Plant signaling & Behavior

      巻: 9 ページ: e970433

    • DOI

      10.4161/15592316.2014.970433

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] シロイヌナズナにおけるバイオマス蓄積と花芽形成に対する二酸化窒素の効果2015

    • 著者名/発表者名
      1. 高橋美佐、坂本敦、森川弘道
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2015-03-16 – 2015-03-18

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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