平成26年度は、平成25年度に森林地理情報システム上で構築した「秋田県スギ資源データベースver.1」の林分面積等の精度を高めるとともに、林道等の道路情報を加味して「秋田県スギ資源データベースver.2」を構築した。さらに、秋田県緑の産業振興協議会から発行された「秋田県木材関係者名鑑」から特定の地域での原木消費量を概算した上で、「秋田県スギ資源データベースver.2」を用いて、皆伐を主体とした施業を繰り返すことで搬出される木材資源量の将来予測を行い、両者のマッティングを行った。また、通常の施業では林地残材となる根元曲り部分の体積をモーションキャプチャーを利用した方法で推定する方法について研究を行った。 その結果、県北の特定の木材産業集積地に間伐履歴を有する7齢級から12齢級までのスギ人工林を皆伐する条件で原木丸太を供給する場合、運材距離を50km以内とすると約50年後には原木供給が出来なくなる時期を迎えることが明らかになった。この状況を避けるためには、今後、皆伐と間伐を効率的かつ計画的に実施するとともに、運材距離を75kmまで拡張する等の集材方法の変更が必要である。また、モーションキャプチャーを利用した方法で林地残材となる根元曲りの体積を精度高く推定することが出来ることを明らかにした。林地残材の利活用を進める上でこの情報は非常に有益なものと考えられる。 これらの知見については、国際学会での口頭発表1件、国内学会でのポスター発表1件の公表を行うとともに、専門学会誌に論文を投稿中(審査中)である。
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