嫌気条件下でアンモニウムイオンと亜硝酸イオンから窒素ガスを生じるANAMMOX菌が、アンモニア態と硝酸態窒素を含む浄化槽放流水の浄化用人工湿地に棲息していることを解明した。15N嫌気スラリー培養法で測定した湿地土壌のANAMMOX活性は、表層で最も高く、また流入口からの距離と負の、水分含量、亜硝酸態窒素濃度、ANAMMOX菌のDNAコピー数と正の有意な相関が認められ、基質が常に供給され亜硝酸が蓄積し易い適度な還元条件が必要と考えられた。また、流入口近傍の植生のある常時湛水地点で、常に最も高い活性が観測された。DNAクローン解析の結果、土壌中では浄化槽と異なるアナモックス菌の定着が示唆された。
|