研究概要 |
本研究は、微生物の中で最も高温で結晶性セルロースを分解できる嫌気性高度好熱細菌Caldicellulosiruptor bescii (C. bescii)の細胞外分泌型セルラーゼ系を分子生物学的に解明することが目標である。これにより、これまでにない高活性なセルロース分解酵素系が開発されると期待される。本年度では、新規C. besciiセルロース結合タンパク質CBP49の詳細な生化学解析を行うことを目的とした。さらにセルロース結晶構造を緩和させる人工タンパク質の作成に向けた、結晶化条件を解明する。 Pull down assayなどからCBP49は、xylan, Avicel, PASC, rice straw, timothy grass, mannan, arabinoxylan, xyloglucanに結合できることが分かった。カロリーメーターを使用した実験から、CBP49は、様々なoligosaccharideにも結合できることが分かった。さらにCBP49は、X2 (xylobiose)に最も高い結合親和性を示すことが判明した。また、CBP49とX6 (xylohexaose)の結合複合体との結晶化条件を決定することができた。作製した結晶にX線を当てたところ、分解能1.6Aのデータセットが得られた。現在、その構造を解析中である。
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