研究課題/領域番号 |
24580491
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
佐藤 泰 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (90357153)
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研究分担者 |
福田 大治 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究室付 (90312991)
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キーワード | バイオマス / 超電導放射線検出器 / シミュレーション / EGS5MPI |
研究概要 |
地球温暖化防止に向けて、温室効果ガスの削減が推進されているところであるが、この一環として、バイオマス燃料やバイオマスプラスチック等の利用促進が行われている。これらのバイオマス製品を人々が安心して利用し、不正品の流通を抑制して、温室効果ガス削減を達成するには、製品のバイオマス成分の混合比(バイオマス度)を検証することが必要である。本研究開発では、従来法と異なる新しい測定手法により、製品のバイオマス度を、比較的安価な装置で高精度に測定できるようにすることを目的としている。これにより、人々が安心してバイオマス製品を利用できる基盤を確立できる。 本年度においては、前年度に引き続きバイオマス測定用超電導転移端放射線検出器の設計を行った。放射線によりバイオプラスチック内に発生する熱エネルギーの、伝熱速度の向上のため、バイオプラスチックにカーボンナノチューブを混合する方法、バイオプラスチックと金箔を溶着させる方法、金箔上にバイオマス由来のカーボンナノチューブを成長させる方法を検討した。昨年製作したEGS5MPIモンテカルロコードを改良して、C-14から放出されるβ線の挙動をシミュレーションした。これに加え、バイオマス測定用超電導転移端放射線検出器によるバイオプラスチックのバイオマス度測定のために必要な、低温環境構築のための冷凍機の整備を引き続き行うとともに、一度に複数の試料を測定するため、超電導転移端放射線検出器の多素子化へ向けた機器の検討、及び整備を行った。また、本研究課題を遂行する途上で、本研究課題の派生技術として新たな放射能絶対測定法を着想するに至り、特許出願した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究分担者が、担当業務の見直しにより、当初予定していた研究時間を確保できなかったため、測定実験に入ることが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、研究分担者が研究時間を充分確保できる見込みであり、なるべく早い段階で、超伝導放射線検出器の動作試験を行い、放射線が検出できることを確認する。その後、研究計画に沿って、バイオマス試料の測定を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
放射線による電気信号を処理するためのデジタイザの調達を行ったところ、納品がH26年度5月になったため。 既に調達手続きは済んでおり、調達され次第、放射線測定実験に用いる予定である。
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