地球温暖化防止に向けて、温室効果ガスの削減が推進されているところであるが、この一環として、バイオマス燃料やバイオマスプラスチック等の利用促進が行われている。これらのバイオマス製品を人々が安心して利用し、不正品の流通を抑制して、温室効果ガス削減を達成するには、製品のバイオマス成分の混合比(バイオマス度)を検証することが必要である。本研究開発では、従来法と異なる新しい測定手法により、製品のバイオマス度を、比較的安価な装置で高精度に測定できるようにすることを目的としている。これにより、人々が安心してバイオマス製品を利用できる基盤を確立できる。 本年度においては、試験用超伝導放射線検出器を冷凍機に装荷して、動作試験を行った。動作温度、動作抵抗点を変化させ、特性値であるエネルギー分解能、電流ノイズスペクトル密度、電流ノイズスペクトル密度によるエネルギー分解能について測定した。これに加え、スズ吸収体にプラスチックを封入する手法について開発し、C-14プラスチックをスズ吸収体に封入した。本手法について特許出願することが出来た。さらに、複数の吸収体付超電導放射線検出器を同時に動作させ、同時に測定できる試料の質量を増加させて、測定時間を短縮する事を着想し、これを可能にするマイクロ波読み出しを行うための構造体を冷凍機内に整備した。C-14の放射能について、基準となる値を決定するため、光学フィルタを用いたTDCR法による液体シンチレーション計数を行った。
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