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2012 年度 実施状況報告書

植物細胞壁の酵素分解におけるキシログルカン分解酵素の作用機構の解明と利用

研究課題

研究課題/領域番号 24580492
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

矢追 克郎  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究グループ長 (70344132)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードキシログルカン / 植物細胞壁 / バイオマス / キシログルカナーゼ / βガラクトシダーゼ
研究概要

キシログルカンはβ1,4グルカンを主鎖として、キシロース側鎖を高頻度に持つ構造を有している。そのため、キシログルカンを分解する酵素は、主鎖を分解する酵素と側鎖を分解する酵素に大別される。今年度は、両者についてそれぞれ大腸菌による組換え酵素を獲得した。
キシログルカンの主鎖を分解する酵素、キシログルカナーゼ
主鎖を分解する酵素であるキシログルカナーゼについては、分解様式がエキソ型、エンド型、エンドプロセッシブ型など多様なメカニズムが存在する。H24年度は、Paenibacullus由来のGH74キシログルカナーゼ(XEG74)について立体構造情報を基にした変異を導入し、4種類の変異酵素を作成し、それぞれの作用機構について詳細に解析した。野生型のものはエンドプロセッシブ型の作用機構であるが、一つの変異体はキシログルカン主鎖にランダムにアタックする典型的なエンド型の作用機構に変化していることを明らかにした。
キシログルカンの側鎖を分解するβガラクトシダーゼ
キシログルカンの側鎖構造は、キシロースが主催にα1,6結合し、そのキシロースに更にガラクトースなどが結合している構造を基本としている。H24年度は、側鎖構造を切断する酵素として、βガラクトシダーゼを6種類クローニングした。大腸菌による異種宿主発現に成功し、His-Tagを用いて高純度に精製した。精製した組換えβガラクトシダーゼの諸性質を解析し、キシログルカンのガラクトース側鎖への作用を解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H24につちえは、当初の計画として「キシログルカン分解酵素のクローニング」「異種宿主発現による組換え酵素の発現」を予定していた。これは、まずは初年度からは様々な作用様式の酵素を取りそろえ、それぞれの酵素の役割を解析していくためである。
「キシログルカン分解酵素のクローニング」については、主鎖を分解する酵素については様々な作用様式のものをとりそろえる必要があるが、変異酵素の作成を行って達成した。
側鎖分解について、βガラクトシダーゼを複数獲得した。
「異種宿主発現による組換え酵素の発現」につていは、上記の酵素についていずれも活性な組換え酵素の獲得に思考し、酵素の性状解析も行った。
以上より、ほぼ予定通り進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後、主鎖や側鎖を分解する様々な酵素の獲得を続けると共に、各酵素の植物細胞壁の分解における役割の解明を行っていく。また、主鎖を分解するキシログルカナーゼについては、作用機構の違い(エキソ型、エンド型、エンドプロセッシブ型)が、植物細胞壁の分解においてどのように役割を果たしていくのか、作用様式分解効率とは相関関係があるか等を詳細に解析する

次年度の研究費の使用計画

実験に用いる機器等は既に保有しているため、研究費は主に試薬やプラスチック消耗品などに利用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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