研究実績の概要 |
キシログルカンは、グルコースがβ1,4結合でつながったβ1,4グルカンを主鎖として、主鎖にα1,6結合で結合するキシロース側鎖を高頻度に持つ構造を有している。また、キシロース側鎖にはさらにガラクトースなどが結合している。そのため、キシログルカンを分解する酵素は、主鎖のβグルカンを分解するβグルカナーゼ(キシログルカナーゼ)と、αキシロシダーゼやβガラクトシダーゼなど側鎖を分解する酵素に大別される。両者についてそれぞれ大腸菌による組換え酵素を獲得と解析を行い、キシログルカン分解の作用を解析した。 「キシログルカンの主鎖を分解する酵素、キシログルカナーゼ」 主鎖を分解する酵素であるキシログルカナーゼについては、分解様式がエキソ型、エンド型、エンドプロセッシブ型など多様なメカニズムが存在する。今年度は、Paenibacullus由来のGH74キシログルカナーゼ(XEG74)について、様々な変異導入を行い、作用機序の異なる様々な変異型酵素の作成に成功し、詳細な機能解析を行った。 「キシログルカンの側鎖を分解する酵素」 キシログルカンの側鎖構造は、キシロースが主催にα1,6結合し、そのキシロースに更にガラクトースなどが結合している構造を基本としている。キシログルカンのキシロース側鎖を効率的に切断するαキシロシダーゼの獲得を行った。また、ガラクトース側鎖を切断するβガラクトシダーゼもあわせて、キシログルカン分解への作用を解析した。
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