本申請では,糖鎖代謝に関与する酵素の遺伝子発現制御を通して,①遊離N-グリカンの植物成長あるいは果実熟成の制御機構に関わる生理機能を実証するとともに,②その生理機能を植物成長制御技術の開発へ応用することを目的としている。植物特異的な糖鎖遊離酵素(酸性PNGase (aPNGase))については,トマトをモデル植物として過剰発現株の構築に成功した。過剰発現トマトにおいては果実強度等に変化が確認され,aPNGase の植物分化への関与が確認された。一方,アラビドプシスについては2種類aPNGase遺伝子のダブルノックアウト株を構築し,組換え植物が環境ストレスに対して感受性が高まることを見出した。
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