TAN-1813の全合成研究の過程において、新たなマレイミドの合成法およびフェニルチオ基を脱離基としたカップリング反応を開発した。本反応をデカリン環セグメントおよびマレイミドセグメントのカップリング反応に適用し、TAN-1813のすべての炭素骨格、不斉炭素および官能基を有する化合物の合成を達成した。 FK228の類縁体合成においては、独自に開発した合成方法論を用いて、さまざまな類縁体の合成を行い、構造活性相関に関する有用な知見を得ることができた。その結果、開発候補化合物であるFK-A11の創製に成功した。現在、FK-A11は東北大学病院臨床研究推進センターにおいて、非臨床試験が実施されている。
|