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2014 年度 実績報告書

グリコシル結合軸の回転の制御に基づく新規糖含有生理活性物質の創製

研究課題

研究課題/領域番号 24590020
研究機関帝京大学

研究代表者

高橋 秀依  帝京大学, 薬学部, 教授 (10266348)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード軸不性 / グリコシル結合 / 光延反応 / 立体選択的反応
研究実績の概要

糖含有天然物の立体構造を明らかにし、生物活性との関連を調べることを目的として研究を遂行した。トポイソメラーゼ阻害作用を有する糖含有天然物であるレベッカマイシン類縁体の合成を検討した。グリコシル結合の形成反応については、これまでにも多くの方法が開発されているが、いずれも強酸性、もしくは強塩基性条件下で行われるものであり、中性条件下で進行する反応は少ない。本研究課題では、他の官能基に影響しないことを第一目的とし、温和な中性条件下で進行するグリコシル化反応を開発することとした。具体的には、光延反応をグリコシル結合形成に応用することとした。様々な条件を検討した結果、溶媒効果が大きいことを見出した。すなわち、溶媒の極性によって、グリコシル結合の立体化学の選択性が変わることを見いだした。これを利用して、レベッカマイシン誘導体について、αグリコシル結合体とβグリコシル結合体を選択性良く合成することができた。天然型のレベッカマイシンは糖がβグリコシル結合したものであるが、今回、αグリコシル結合した化合物が得られたことは、今後の生理活性の検討において非常に有益と考えている。特に、天然から得られて化学構造は確認されているものの、全合成例が未だに報告されていないブロモレベッカマイシン誘導体の合成に道筋をつけたことは高く評価されるものと考える。得られた様々な誘導体の立体構造をVTNMRによって調べた結果、グリコシル結合の立体化学に関わりなく、おしなべて糖部位がインドロカルバゾールの極めて近傍にある、いわゆるclosedなコンホメーションが優先されていることがわかった。この結果は、糖とインドロカルバゾールを結ぶグリコシル結合が非常に立体的にこみあった環境下に置かれていることを示唆するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A complete gear system in N-benzoyl-carbazole derivatives2014

    • 著者名/発表者名
      Hidetsugu Tabata, Susumu Kayama, Yuka Takahashi, Norihiko Tani, Shintaro Wakamatsu, Tomohiko Tasaka, Tetsuta Oshitari, Hideaki Natsugari, Hideyo Takahashi
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 16 ページ: 1514-1517

    • DOI

      10.1021/ol500417t

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] アゾール類のN-アシル体の立体構造2014

    • 著者名/発表者名
      高橋由佳、嘉山 奨、若松真太朗、田畑英嗣、忍足鉄太、夏苅英昭、高橋秀依
    • 学会等名
      第40回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      東北大学川内萩ホール
    • 年月日
      2014-11-10 – 2014-11-11

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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