研究課題/領域番号 |
24590031
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
高波 利克 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (40241111)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 一電子移動 / 有機触媒 / 芳香族第三アミン / 芳香族スルフィド / 不斉触媒 / ビアリール / 陽極酸化 / 電解合成 |
研究概要 |
本研究は、陽極酸化反応において基質の一電子移動過程を媒介することが知られている芳香族第三級アミンや芳香族スルフィドにキラルなビアリール構造等を導入することにより「一電子移動型不斉有機触媒」を開発することを主たる目的として実施するものである。この目的を達成するためには、「一電子移動型不斉有機触媒」の不斉場をどのように構築するかということに加え、触媒としての安定性を確保することが重要である。そこで、昨年度は、ビアリール構造をもつ不斉芳香族第三級アミンを構築し、この化合物の「一電子移動型不斉有機触媒」としての可能性、及び電子移動触媒の安定性を向上させる要因を解明し、以下の新規な知見を得た。1.ビアリール構造をもつ不斉芳香族第三級アミンの短工程での構築法を確立した。2.ビアリール構造をもつ不斉芳香族第三級アミンをメディエーターとして用い、ベンジルエーテル誘導体の陽極酸化を行った結果、20%ee程度の不斉を誘起できることを見出し、「一電子移動型不斉有機触媒」という新概念確立の端緒を得た。3.芳香族第三級アミンの芳香環上にCF3やC6F5などのフッ素官能基を導入すると、電子移動触媒としての安定性を著しく向上できることが判った。 また、関連の事項として、光増感剤の基盤分子となるポルフィリン誘導体の高効率的な合成法についても検討し、シリルメチル基を持つポルフィリンが有用な新規なポルフィリン合成素子として利用できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、ビアリール構造をもつ不斉芳香族第三級アミンが一電子移動を経由する不斉有機触媒として利用できることを見出し、「一電子移動型不斉有機触媒」という新概念確立の端緒を得た。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の項で述べたように、本研究で提案する「一電子移動型不斉有機触媒」がビアリール構造をもつ不斉芳香族第三級アミンを利用することで実現可能であることが判った。しかし、その不斉収率は現在のところ20%ee程度であり満足できるものではない。そこで、今年度は、ビアリール構造をもつ不斉芳香族第三級アミンの構造最適化を行うことにより、化学収率と不斉収率の向上を目指す。特に、ビアリール部分の剛直性を増大した不斉スピロ型芳香族第三級アミンの「一電子移動型不斉有機触媒」としての能力を解明し、より実用的な一電子移動型不斉有機触媒反応を開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の物品費に組み込み、当初の予定通り平成25年度の研究計画を遂行する。
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