HPMC-ASによる薬物結晶化抑制作用はHPMC-ASのサクシノイル基の割合の減少に伴い強くなった。NMR測定により、薬物/HPMC-AS溶液中において薬物の分子運動性が抑制され、薬物及びHPMC-AS間で疎水性相互作用が形成していることが明らかとなった。Saturation transfer difference(STD)-NMR測定よりHPMC-ASの各種置換基との薬物の相互作用の強さは、アセチル基において最も強く、サクシノイル基では弱いことが示された。NMRから解析された薬物とHPMC-ASとの分子間相互作用は、HPMC-ASの薬物結晶化抑制作用との間で相関が認められた。
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