薬物の皮膚透過に対する毛嚢ルートの寄与率は、薬物の油水分配係数の減少とともに増大し、log Ko/w<0でかつ分子量<500 Daの薬物では、毛嚢の寄与率がほぼ100%となることが明らかとなった。また、脂溶性がlog Ko/w<0の薬物は、短時間で毛嚢内濃度が一定となることが分かった。さらに、ピエゾ感圧アプリケーターと定電流付加デバイスを併用により、効率的に微少量薬物を毛嚢ルートを介して皮内送達でき、適用した薬物の皮膚透過性を促進することができた。これらの結果から、毛嚢内選択的デリバリーが可能となれば、新たな経皮薬物透過促進手段となることが分かった。
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