研究課題
1.CPDAのSHIP2阻害能評価我々は、これまで、化合物のSHIP2阻害能を、セルベースアッセイに基づいたインスリンシグナル増強作用(SHIP2阻害によるAktリン酸化レベルの亢進)の観察により間接的に評価していた。そこで、SHIP2阻害能を直接評価できるように、大腸菌を用いたSHIP2触媒ドメインの大量発現系を構築した。さらに、Malachite Green Phosphate Assay Kitを用いたSHIP2の酵素活性アッセイ系を構築した。このアッセイ系を用いてCPDAのSHIP2阻害能を評価したところ、CPDAは非常に強いSHIP2阻害能(IC50=4~5μM)を有することが明らかとなった。2.CPDAのイン・シリコ構造最適化精密分子ドッキング計算および結合自由エネルギー計算に基づいて、SHIP2との結合親和性が改善されると期待できるCPDA誘導体の分子設計を行った。その結果、CPDAが有するジフロロベンゼンの4位の位置に、β-グリコシド結合でガラクトース、グルコース、あるいはマンノースを付加した誘導体において、結合親和性の大きな改善が期待できることがわかった。3.イン・シリコスクリーニングに基づいた新たなSHIP2阻害剤候補化合物の探索高速分子ドッキング計算に基づいた多段階イン・シリコスクリーニングにより、化合物データベース(約400万化合物)から、平成25年度に構築したCPDAーSHIP2複合体モデル中の相互作用様式をよく模倣できる化合物を約20個程度抽出した。これら抽出された化合物は、CPDAとは異なる骨格を持つ新たなSHIP2阻害剤としての可能性が期待できる。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)
Journal of Pharmaceutical Sciences
巻: 104 ページ: 223-232
10.1002/jps.24235
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters
巻: 24 ページ: 3732-3735
10.1016/j.bmcl.2014.07.003
巻: 24 ページ: 2851-2854
10.1016/j.bmcl.2014.04.098