研究課題/領域番号 |
24590060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
中西 守 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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研究分担者 |
山本 浩充 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (30275094)
伊納 義和 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (90434547)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ナノ遺伝子ベクター / バイオ・ナノ遺伝子 / 正電荷リポソーム / バイオサーファクタント / 遺伝子導入 / RNA干渉 / レーザ顕微鏡 / 金ナノ粒子 |
研究概要 |
本研究は3名の物理系薬学者がこれまでの研究成果と技術を統合・進展させ病原性ウイルスは使用せず、独自・独創性の高い先端技術を駆使して次世代バイオ・ナノ遺伝子ベクターの特長を生かした新時代の医療薬学研究における革新的研究技術を構築しようと企画している。初年度は研究計画の中核をなす次世代ナノ遺伝子ベクターの構築に焦点を当て研究をスタートさせた。まず、バイオサーファクタント(MEL)を包摂した正電荷リポソームによる遺伝子導入法がsiRNAによる遺伝子発現を顕著に促し、非ウイルスベクターによる特定遺伝子の発現を抑制できることを明らかにした。結果は予想通りであり、研究代表者や分担者が画期的な遺伝子導入技術になると期待した結果を明瞭に証明するものとなった。それゆえ、本申請研究は画期的な先端的技術として各方面で大きく活用されるののと判断できた。また、ナノ遺伝子ベクターがマイクロRNAを包摂しsiRNAを効率よく標的細胞へ導入できるのは正電荷リポソームと標的細胞の膜融合効率を顕著に増大させていることに起因していることが明確に証明された。本申請研究のベクターは生体(細胞・組織)に無用な損傷を与えることなく迅速に遺伝子導入を可能になるだけでなく、RNA干渉により遺伝子の発現を適宜抑制できることを明らかにした。この特性は関連分野の研究に今後多大な効果を及ぼすと推察され、バイオ・ナノベクターの特性をさらに増大させる新素材の検討及び遺伝子の必要量・処理時間・導入効率の追究等から数十倍から百数倍にも達する成果が得られているところである。RNA干渉等に利用する最適量、分子機構追究、各種の医療実験における安定性・安全性が増大すると判断され研究の更なる進展が期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本申請研究は物理系薬学の立場から薬学教育・研究に携わって来た研究代表者と研究分担者が新時代の薬学研究を社会の要望に適正に対応したものにするため、各人の独創性高い先端技術を基盤にして次世代の医療薬学を創成・先導し、新時代の薬学研究に貢献しようとしている。初年度は研究計画の中核をなす次世代ナノ遺伝子ベクターの構築に焦点を当て研究をスタートさせた。バイオサーファクタント(MEL)を包摂した正電荷リポソームによる遺伝子導入法がsiRNAによるRNA干渉によりmRNAの破壊によって配列特異的に遺伝子の発現を抑制することを明らかにした。研究目的の達成度は大変高いと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
初年度(24年)の研究推進により本申請研究の骨格が明瞭になり、本研究の飛躍が大いに期待できる状況が確立できたと判断できる。そこで、本年度以降は本申請計画書で提案した研究計画の先進性と本申請研究計画に関与する3名の研究者の国際レベルでの特色・優位性等をいっそう強力に推進・発揮するため、これまでの研究に加えて、次の研究を強力に推進する。 金ナノ粒子を基盤にした次世代ナノ遺伝子ベクターの構築とその特性の解明も新たにスタートする(中西・山本・伊納)。生体内適合性・生体内分解性の高分子ナノ粒子内に遺伝子を封入し、ナノ粒子表面物性を制御することにより、細胞内への移行性を変化させ、遺伝子の標的有効性向上の検討。また、標的細胞での吸収性向上のためのナノ粒子設計法を確立する。同時に、新技術の社会還元上で明確にしなければならないナノ粒子システムの万全な安全性の確立とその細胞・組織・個体での明確な実験の推進と安全性の確立。さらに、脳血液関門を通過し、脳内移行を容易にするPLGAナノスフェア封入、粒子表面修飾による遺伝子の脳内移行効率の増大・安全性の確保・治療効果の確認ならびにそれらを遂行する医療薬学技術の明確な確立を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本申請研究の3名の研究者(研究代表者(中西)、研究分担者(山本)、ならびに、研究分担者(伊納))はバイオ・ナノ粒子の開発及び金ナノ粒子の開発において国際的にも高い評価を得ると同時にこれまで独自・独創性の高い研究開発を推進・従事してきた。それぞれの開発研究において、3名の研究者は世界をリードした技術と独創性を高く発揮してきた。これら3名の研究者の独自・独創的な視点からのバイオ・ナノ粒子と金ナノ粒子を用いたマウス固形ガンへのRNA干渉研究の実施には、RNA干渉の研究を我が国において基礎及び臨床の両面で今後実行して行く上でも多くの有益な情報と貴重な研究成果として寄与するものと強く考えられる。本申請研究が国際的にも高く評価される医療薬学研究成果の一つとして提案提出することは本申請研究を提案した3名の研究者に科せられた重大な責務である。RNA干渉、免疫神経連関、抗原提示の研究でこれまで多くの研究成果報告してきた3名の研究者は物理系薬学研究者としてそれぞれがその責務を遂行するに値する独自性の高い先進的な研究計画の提案とその研究計画の実行を企画している(交付研究費を物品費として使用)。3名の緊密な研究の遂行と絶えざる討議を通して大きな研究成果を達成すると判断できる。
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