研究課題/領域番号 |
24590060
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
中西 守 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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研究分担者 |
山本 浩充 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (30275094)
伊納 義和 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (90434547)
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キーワード | ナノ遺伝子ベクター / バイオ・ナノ遺伝子 / 正電荷リポソーム / バイオサーファクタント / 遺伝子導入 / RNA干渉 / レーザ顕微鏡 / 金ナノ粒子 |
研究概要 |
本研究は3名の物理系薬学者がこれまでの研究成果と技術を統合・推進させ、病原性ウイルスは使用せず、独自・独創性の高い先端技術を駆使して、次世代バイオ・ナノ遺伝子ベクターの特長を生かした新時代の医療薬学研究における革新的研究技術を構築しようとしている。25年度は研究計画の中核をなす次世代ナノ遺伝子ベクターの構築に焦点を当て研究を実施した。バイオサーファクタント(MEL)を包摂した正電荷リポソームによる遺伝子導入法がsiRNAによる遺伝子発現を顕著に促し、非ウイルスベクターによる特定遺伝子の発現を抑制できることを明らかにした。研究結果は特筆できるものであり、研究代表者や分担者が画期的な遺伝子導入技術になると予想した研究計画を支持するものとなった。本申請研究は画期的な先端技術として各方面での種々の研究に活用されるものと判断できた。また、ナノ遺伝子ベクターがマイクロRNAを包摂しsiRNAを効率よく標的細胞へ導入できるのは正電荷リポソームと標的細胞の膜融合成功率を顕著に増大させていることに起因していることを明確に証明した。本申請研究のベクターは生体(細胞・組織)に無用な損傷を与えることなく迅速に遺伝子導入を可能にするだけでなく、RNA干渉により遺伝子の発現を適宜抑制できることを明らかにした。この特性は関連分野の研究に今後多大な効果を及ぼすと推察され、バイオ・ナノべクターの特性をさらに増大させる新素材の検討及び遺伝子の必要量・処理時間・導入効率の追究等から数十倍にも達する研究成果が得られているところである。RNA干渉等に利用する最適量、分子機構研究、in vivo実験の研究を通して更なる進展が期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究は物理系薬学の多面的な知識と技術を持った研究代表者と研究分担者が新時代の医療薬学の研究を独自・独創的な立場から追究しようと企画しその研究成果を着実に実践しており、薬学領域の新しい進展に強く貢献すると判断できるものである。人員構成も経験豊かな研究代表者と新進気鋭の研究分担者が同一大学の同一学部で常に意見交換と研究成果に対する忌憚のない意見交換を行い研究を推進してきた。その結果はバイオサーファクタントを包摂した斬新な遺伝子ベクターの構築とその推進を土台にしたものであり、研究は当初の計画以上に進展していると確信できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度までの研究推進により本申請研究の基本骨格と一定の成果の達成は既に確立・樹立されたと判断できるが、そのような成果に満足することなく、新時代の医療薬学の研究の推進に国際的にも大きく寄与できる遺伝子ナノベクター樹立にいっそうの努力を払いたいと企画している。金ナノ粒子を基盤にした次世代遺伝子ベクターの構築とその特性ならびに物質材料特性の界面科学的解明と新技術の研究成果の社会への還元にも多くの努力を払いたいと考えている。新技術の社会への還元においてはナノ粒子システムの安全性の確立ならびに、細胞・組織・個体での明確な安全性の確立と環境への影響の完全な排除に最大の配慮を行い、安全性と治療効果を最大限に確保した新時代の医療技術の確立に明確な指針を提出することに努力したい。
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