研究課題/領域番号 |
24590063
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
米田 誠治 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (60425056)
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研究分担者 |
植村 雅子 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助手 (70511997)
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キーワード | 金属錯体 / がん / 核酸 / 薬物耐性 / 創薬 |
研究概要 |
研究代表者らは、in vivo 抗腫瘍活性を有するテトラゾラト架橋錯体 [{cis-Pt(NH3)2}2(μ-OH)(μ-R-tetrazolato-N2,N3)]2+ のリード化合物最適化を念頭に、テトラゾールC5位にエステル基を導入した一連のテトラゾラト架橋錯体を新たに11種合成し、1H、13Cおよび195Pt-NMR、およびMSを用いて帰属を行った。そして、これらの新規錯体がシスプラチンに対する交叉耐性を明らかに克服することを、シスプラチン耐性マウス白血病細胞(L1210/cis)に対する細胞毒性を測定することにより、確認した。 また、制がんメカニズムの解明を念頭に、自己相補形10量体DNAとピラゾラト架橋錯体 [{cis-Pt(NH3)2}2(μ-OH)(μ-pyrazolato]2+、トリアゾラト架橋錯体[{cis-Pt(NH3)2}2(μ-OH)(μ-1,2,3-triazolato]2+、または テトラゾラト架橋錯体 と混合し、二次元NMRスペクトルを用いて、その非共有結合性相互作用部位の特定を試みた結果、これらの錯体がDNAの副溝に強く結合することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多くのテトラゾラト架橋白金(II)二核錯体誘導体の合成、スクリーニングが順調にすすんでいる。また、DNAとの相互作用様式についての研究も進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新たに合成したテトラゾラト架橋錯体の in vivo 実験を実施し、更なるリード化合物の最適化を図ると共に、標的分子と推定されるDNAとの相互作用様式を詳細に検討し、制がんメカニズムの一端を解明する。また、がん細胞内への薬物取込み量等の生化学的指標も測定し、本錯体がどのような理由でシスプラチンに対する交叉耐性を克服しているのかを探求する。
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