研究実績の概要 |
研究代表者らは、23種の制がんテトラゾラト架橋錯体[{cis-Pt(NH3)2}2(μ-OH)(μ-5-R-tetrazolato-N2,N3)]2+について、in vitro がん細胞増殖抑制活性を検討し、それらの構造活性相関を構築した。これに付随して、がん細胞内への薬物取り込みを、シスプラチン耐性細胞とその親株細胞について観察したところ、一連のテトラゾラト架橋錯体は、シスプラチン耐性細胞に、より多く取り込まれることを確認した。 また、リード化合物である[{cis-Pt(NH3)2}2(μ-OH)(μ-tetrazolato-N2,N3)]2+(5-H-Y)について、悪性黒色腫(メラノーマ)を移植したマウスを用いて in vivo 抗腫瘍効果を検討した結果、5-H-Yはメラノーマに対する第一選択薬であるダカルバジンおよび臨床白金制がん剤カルボプラチンのそれぞれと比較して、2.3倍および1.2倍高い抗腫瘍効果を発揮することを確認した。
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