研究課題/領域番号 |
24590066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
秋澤 俊史 摂南大学, 薬学部, 教授 (30202526)
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研究分担者 |
小西 元美 摂南大学, 薬学部, 准教授 (20229446)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プリオンタンパク質 / マトリックスメタロプロテアーゼ / プロテアーゼ耐性 / 凝集性 / フラグメントペプチド / カラムスイッチHPLC / Cu2+ / MT-MMP |
研究概要 |
平成24年度は、21 種類のペプチドの合成を調製し、1. Cu2+ の添加によるプロテアーゼ耐性の獲得と 2. 凝集性に関する予備実験の2項目について検討した。 1. プロテアーゼとしては、脳内にも発現している 2 種の膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT1-MMP と MT3-MMP)と可溶型の MMP-7、およびトリプシンを用いた。その結果、OP-repeat 領域はこれらの MMPs による切断を受けなかったが、中間領域および C-端領域のペプチドは切断された。切断点の数を比較すると圧倒的に中間領域が多く、C-端側は Cu2+ の有無に関わらずプロテアーゼ耐性を有していると考えられた。さらに、これらの切断は Cu2+ 添加により抑制されることより、プロテアーゼ耐性に Cu2+が関与していることが明らかとなった。また、MT1-MMP および MT3-MMP の切断点には特徴があり、同じく膜結合型のプリオンタンパク質の C-端領域 を切断している可能性が示唆された(論文投稿準備中)。 2. 中間領域の全長に該当する hPrP92-168 溶液に Cu2+, Zn2+ および Ca2+ を添加し、経時的に HPLC 分析を行った結果、Cu2+ 存在下で凝集性が高いことが確認できた。次に、C-端領域の hPrP150-159 をレジンに固定化し、HPLC カラムに充填、カラムスイッチ法により、ペプチド同士の結合をCu2+の存在/非存在下で検討した。その結果、hPrP92-168 は Cu2+ の有無に関わらず結合することが明らかになった。 平成25年度は種々の C-端側のペプチドを固定化したレジンを調製して、ペプチド同士の結合に最も影響しているフラグメントの同定を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1. ペプチド合成が効率よく進行したこと 2. カラムスイッチ HPLC システムがうまく機能したこと 3. 人的な配置が極めて有効に機能したこと。
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今後の研究の推進方策 |
研究推進に関して大きな問題点はない。 申請時に購入予定であった、分子間相互作用解析装置は新バージョンに移行したことより価格が上昇してしまい、その結果、予算不足のため購入ができなくなった。しかしながら、平成24年度の結果より、カラムスイッチ HPLC 法により、十分に対応できることが明らかとなったので、予算内で HPLC を購入し、保有している HPLC システムと組合せ、新たに HPLC システムを増やして対応することとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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