研究課題/領域番号 |
24590068
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
桐野 豊 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (10012668)
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研究分担者 |
岸本 泰司 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (90441592)
窪田 剛志 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (90412402)
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キーワード | 瞬目反射条件付け / 学習・記憶 / サル / PET |
研究概要 |
学習・記憶の神経基盤を解明するためには、動物が学習を行うときに脳のどの部位がどのように活動しているかを観測することが重要であり、本研究はそれを目指すものである。 1.アカゲザルを対象とした「瞬目反射条件付け(EBC)課題遂行中のサル脳内PET計測システム」を開発した。このシステムを用いて、無麻酔のアカゲザルに対してEBC実験法を確立した。条件応答(Conditioned Response, CR)としての瞬目の検出には、鈴木らが開発した高速ビデオカメラを用いた「Intelligent Vision Sensor」を用いる方法と、山本・岸本らが開発した、瞼の筋電位を測定する方法を併用し、それぞれの特長を活かしたデータ解析を行った。その結果を従来のマウスやウサギのEBCの結果と比較して、サルのEBCの特徴を明らかにすることができた。これらの結果は、平成25年6月に京都で開催された第36回日本神経科学学会・第56回日本神経化学会・第23回日本神経回路学会合同大会にて発表した。 2.受容体イメージングの準備 EBCに関与する受容体分子のイメージングは本研究の中核をなす重要課題である。どのような受容体を測定対象とするのか、種々の観点から検討し、カンナビノイド受容体サブタイプ1(CB1R)を対象とすることとした。この受容体を介したカンナビノイド信号系がEBC遅延課題に必須であることは、CB1R-KOマウスを用いた岸本(2006)の実験等により明らかにされているし、社会的重要性も高い。そこで、CB1R特異的なPETリガンド、[11C]CB-119の前駆体の合成を行った。これをサルに投与して、PET画像を取得し、PET画像取得の最適条件を決定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、浜松市の浜松ホトニクス(株)の研究協力者と私どもの共同研究である。また、実験は、研究分担者等が浜松市に出張して、1週間から10日間連続で行う必要がある。そのため、浜松ホトニクス(株)の研究協力者と当方の都合、及び、サルの状態の3拍子揃ったところで実験を開始する必要があるが、今年度はその条件が整わず、残念ながら、実施されずに終了した。その間、これまでのデータの整理と論文原稿執筆を行い、また、本研究の基盤となる実験を、ネズミを用いて行ってきた。
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今後の研究の推進方策 |
私どもが浜松ホトニクス(株)中央研究所に出張し、同研究所に唯一存在するサル用PET装置を用いて、アカゲザルを対象として、CB1RのPETイメージング中の瞬目反射条件付け実験を行う。 本研究で用いるアカゲザル、及び、PETプローブは高価である。最終年度である平成26年に繰り越した研究費を使って、浜松に出張して、所定の実験を実施する予定である。科学研究費が基金化され、次年度繰越が可能となったおかげで、このようなことができるようになったことをありがたく感じている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は、浜松市の浜松ホトニクス(株)の研究協力者と私どもの共同研究である。また、実験は、研究分担者等が浜松市に出張して、1週間から10日間連続で行う必要がある。そのため、浜松ホトニクス(株)の研究協力者と当方の都合、及び、サルの状態の3拍子揃ったところで実験を開始する必要があるが、今年度はその条件が整わず、残念ながら、実施されずに終了した。その間、これまでのデータの整理と論文原稿執筆を行い、また、本研究の基盤となる実験を、ネズミを用いて行ってきた。 私どもが浜松ホトニクス(株)中央研究所に出張し、同研究所に唯一存在するサル用PET装置を用いて、アカゲザルを対象として、CB1RのPETイメージング中の瞬目反射条件付け実験を行う。サル、PETプローブ合成用試薬、出張旅費が主たる必要経費である。 科学研究費が基金化され、次年度繰越が可能となったおかげで、このようなことができるようになったことをありがたく感じている。
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