本研究では,糖タンパク質の高次構造解析技術を開発する一環として,糖タンパク質のモデルとして抗TNF-α抗体関連医薬品を用いて,ヒト可溶性TNF-αとの相互作用解析を水素重水素交換/質量分析 (HDX/MS) 行った.4種類の抗TNF-α抗体関連医薬品について解析した結果,いずれの抗体との相互作用においても,重水素交換率が減少する内部領域があることを明らかにし,抗TNF-α抗体関連医薬品は,共通のTNF-α高次構造変化を利用して薬理作用を発現している可能性を見出した.また,それぞれの抗TNF-α抗体関連医薬品のエピトープとなりうる領域を特定した.
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