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2013 年度 実施状況報告書

新規会合因子PI31によるプロテアソーム機能調節因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590075
研究機関東京大学

研究代表者

濱崎 純  東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80533588)

キーワードタンパク質分解 / プロテアソーム
研究概要

プロテアソームは真確細胞に必須のタンパク質複合体であり、近年高等動物ではプロテアソームが分子・機能的多様性を獲得し、高等動物特有の生命現象に重要な働きをしている事が明らかになり始めている。また、プロテアソーム機能の減弱により神経変性疾患など様々な病態発症の原因となる事も知られ、がん細胞においてはプロテアソームの発現が亢進していることも知られていることから、プロテアソーム機能の異常は細胞にとって極めて重要である。近年、我々はプロテアソーム機能調節因子の探索から、新規プロテアソーム会合因子としてPI31を同定した。PI31ノックダウンハエ系統を作製すると、全身におけるノックダウンで致死となり、羽や複眼におけるノックダウンで羽の形成異常や加齢依存的な個眼の色素脱落など様々な表現型を示し、発生のみならず組織の機能維持にも重要である事が明らかとなった。これら因子と機能的な関わりについて特にプロテアソーム機能に着目しつつ生化学的解析を進展中であり、哺乳類細胞なども用いて細胞生物学的解析も行なっている。PI31の生理学的意義を明らかにするためにコンディショナルノックアウトマウスの作製を行い、現在までにヘテロマウスを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の準備段階におけるハエ系統についての知見を元に、様々な表現型について観察するとともに、その原因となる分子機構の詳細について徐々に解析が進み、統合的な理解が可能となりつつあることから、順調に研究が進展していると考えている。遺伝学的な解析については予想外の進展を見せている部分もある事から、研究開始当初の予想よりも新規性の高い研究となる可能性を感じており、分子機構解明のための解析をより重点的に推進する事で研究目標を達成できると予想している。また、コンディショナルノックアウトマウスの作製が比較的順調に進み本計画期間中に表現型解析に取り組むことが可能と考えられる。ハエでの解析で得られた知見をマウスでの解析に応用することで今後より研究が進展するものと思われる。

今後の研究の推進方策

遺伝学的解析による遺伝学的相互作用因子の探索を今後も進め、既に見出している経路の妥当性を検討するとともに、さらなる新規経路とのクロストークの発見を目指す。生化学的解析および分生生物学的解析を並行して行ない、プロテアソーム及びPI31の機能解析と表現型を結びつける分子機構の解明を重点的に行なう。様々な表現型について解析を行なうため、多様なアプローチで柔軟に研究を行い、統合的な理解を進めるように研究の焦点を明確にする。PI31コンディショナルノックアウトマウスの解析を行い、ハエでの解析から重篤な表現型を示すことが予想されるが、全身でのノックアウトは致死となるか、発生異常をきたすかについて解析をする。その後、特定の器官におけるノックアウトマウスの作製により、プロテアソーム機能への影響や病態発症機構への関与について生化学的に解析を行う。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of testis-specific proteasome subunit a4s in mammals2014

    • 著者名/発表者名
      Uechi H, Hamazaki J, Murata S
    • 雑誌名

      J Biol. Chem.

      巻: 289 ページ: 12365-12374

    • DOI

      10.1074/jbc.M114.558866

    • 査読あり
  • [学会発表] プロテアソーム会合チオレドキシン様分子のメラニン産生への関与2013

    • 著者名/発表者名
      上地浩之、濱崎純、村田茂穂
    • 学会等名
      新学術領域研究 ユビキチンネオバイオロジー 平成25年度第2回領域班会議
    • 発表場所
      静岡、熱海
    • 年月日
      20131211-20131211
  • [学会発表] Sirt1によるHsp70を介したタンパク質品質管理2013

    • 著者名/発表者名
      冨田拓哉、濱崎純、平山尚志郎、八代田英樹、村田茂穂
    • 学会等名
      新学術領域研究 ユビキチンネオバイオロジー 平成25年度第2回領域班会議
    • 発表場所
      静岡、熱海
    • 年月日
      20131211-20131211
  • [学会発表] Testis-specific proteasome and its role in mammalian testes2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Uechi, Jun Hamazaki, Shigeo Murata
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神奈川、横浜
    • 年月日
      20130912-20130912
  • [学会発表] Genetic analysis of novel mammalian protesasome subunit Rpn132013

    • 著者名/発表者名
      Jun Hamazaki, Shigeo Murata
    • 学会等名
      The 35th NAITO CONFERENCE ON The Ubiquitin-Proteasome System
    • 発表場所
      北海道、札幌
    • 年月日
      20130710-20130710
  • [学会発表] Transcriptional Modulators of the Mammalian 26S Proteasome – _A Genome-wide Perspective2013

    • 著者名/発表者名
      Kogleck Larissa, Hirayama Shoshiro, Hamazaki Jun, Murata Shigeo
    • 学会等名
      東京大学生命科学シンポジウム
    • 発表場所
      東京、本郷
    • 年月日
      20130608-20130608
  • [学会発表] Functional Analysis of PI312013

    • 著者名/発表者名
      Haruta Yoshitaro, Hamazaki Jun, Murata Shigeo
    • 学会等名
      東京大学生命科学シンポジウム
    • 発表場所
      東京、本郷
    • 年月日
      20130608-20130608
  • [図書] 医学のあゆみ、活性酸素・基礎から病態解明・制御まで2013

    • 著者名/発表者名
      濱崎純、村田茂穂
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2015-05-28  

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