研究概要 |
(1)EML4-ALK肺癌モデルマウスの癌部・非癌部肺組織を用いたcDNAアレイ実験で判明している過剰発現分子のうち、発現が高い順に4つの分子に関してRT-PCRを用いて発現確認を行なった。その結果、Gjb4, Claudin2, CHL1,MMP13の4分子に関して明確な過剰発現を認めた。また、各抗体を用いた組織免疫染色実験を行なった結果、少なくともCHL1及びClaudin2の2分子がタンパク質レベルでも過剰発現していることが判明した。 (2)この2分子に関してEMARSプローブを作成するために、各分子に対する抗体を用いて還元型抗体を作製するための検討を行なった。このうちCHL1抗体に関して、還元型抗体にしてもその活性を失わないことが確認できた。そこで、還元型CHL1抗体のHRP標識体を作成し、抗体結合能を免疫染色にて確認したところ、活性を有していたので、これをCHL1のEMARSプローブとして用いることとした。 (3)作製したEMARSプローブを肺がん初代培養細胞に処理し、fluorescein標識arylazide試薬を用いてEMARS反応を行った。ウエスタンブロット法により、EMARS反応がうまく行われているか判定した結果、CHL1分子の相互作用分子が標識されていることが判明した。これら標識された分子を抗体カラムで精製し、LC-MALDIを用いたEMARS反応標識産物プロテオーム解析法により解析した。その結果、Major urinary proteins 11 and 8が含まれていることが示唆された。
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