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2013 年度 実施状況報告書

癌化に伴い過剰発現する細胞膜上分子の分子間相互作用と癌形質への影響

研究課題

研究課題/領域番号 24590082
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

小谷 典弘  埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90342782)

キーワード分子間相互作用 / 肺がん
研究概要

前年度はCHL1の相互作用分子をarylazide-FITCを用いたEMARS反応により解析し、その結果、2つ程度の相互作用候補分子を質量分析器を用いた解析法にて同定した(高知大学医学部に依頼)。それらを免疫沈降法などにより、実際の相互作用分子であるかを検討しようとしたところ、市販の抗体で適切なものが存在しなかった。そこで、新たに肺がん初代培養細胞で細胞数を増やしたサンプルを使って同一の方法でEMARS反応を行い、新たに質量分析器で他の相互作用分子候補がないか探索した。その結果、新たにGalectin3, Na/Kポンプ1, anexin1などの候補分子が同定された。これらは、適切な抗体が存在するため、免疫沈降法を用いて当該分子のFITC標識の確認を行った。その結果、galectin3に関して、FITCの標識を認めた。これは、galectin3がCHL1の相互作用分子である可能性を示している。従って、現在形態学的な解析(共焦点顕微鏡や電子顕微鏡による解析)による追試を計画している。
さらに、質量分析器による解析は前述のように細胞数を増やすなど、サンプル量が多くないと、候補分子を同定できないという短所がある。そこで、質量分析器に頼らない相互作用分子の同定を行うために、独自に「決め打ち解析」という方法を考案した。これは、前年度のcDNAアレイの結果から、CHL1と同様に発現量が多い細胞膜上分子のうち、肺に特異的に発現していそうなもの(他の組織では発現していなさそうなもの)をデータベース情報を基に抽出し、それを相互作用分子の候補としてEMARS反応サンプルにおける当該分子がFITC化されているかを調べることによって、最終同定するという手法である。これを用いて、分子同定を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

質量分析器による解析で検出された分子に対して、適切な抗体がなかったことで、追加でサンプル量を増やして対応したため、サンプル採取等に余分な時間がかかり、やや遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

前述の「決め打ち」解析の結果で、可能な限り早急に候補分子を絞り込み、同定作業を行う予定である。1つでも2分子会合体が決まれば、それらに対し次段階の実験を行っていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

質量分析器による解析が遅れたため、実際の研究計画に遅れが生じているから。
前年度使用予定の金額については、「決め打ち解析」による抗体購入支出に当てる。当該年度予算については、相互作用分子の2分子会合体形成の形態学的証明や、癌形質への影響を調べるための、遺伝子ノックダウン実験などに支出する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Expressed Glycosylphosphatidylinositol-AnchoredHorseradish Peroxidase Identifies Co-Clustering Molecules in Individual Lipid Raft Domains2014

    • 著者名/発表者名
      Arisa Miyagawa-Yamaguchi, Norihiro Kotani, Koichi Honke
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 9 ページ: 93054

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0093054

    • 査読あり
  • [学会発表] GPI-アンカー型HRP融合タンパク質がつくる脂質ラフトドメイン2013

    • 著者名/発表者名
      本家孝一、山口亜利沙、 小谷典弘
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130911-20130913

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公開日: 2015-05-28  

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