D-アスパラギン酸(D-Asp)の合成酵素(ほ乳類Aspラセマーゼ)の同定を目的に研究を行った。候補遺伝子の組換えタンパク質を大腸菌体内で調製しようとしたが、試みた全ての条件で不溶性タンパク質となり困難を極めた。そこで、small interfering RNA(siRNA)により候補遺伝子の発現を抑制したとき、D-Asp生成が影響されるかどうかを解析して遺伝子の特定を行うことにした。米国のグループが報告した遺伝子(Got1l1)について解析したところ、その発現抑制は、D-Aspを合成している培養細胞株のD-Asp生成に影響を与えなかった。本遺伝子はD-Asp合成には関与しないと結論した。
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