本研究では、鳥類の刷り込みを記憶学習のモデルとし、記憶を形成する分子メカニズムを明らかにする。細胞骨格を制御するMAP2に注目し、解析した。その結果、MAP2の遺伝子抑圧を行ったヒナでは、刻印付けが阻害されていた。さらに、MAP2 の薬理学的解析を行った。MAP2 による細胞骨格の制御は、リン酸化の変化によってもなされ、beta-tubulin の脱重合を促進する。代表者は、MAP2 のリン酸化が刻印付けの過程で亢進されることを見出した。このことは、刻印付けに伴い、MAP2 が細胞骨格のダイナミクスを制御し、神経細胞の樹状突起などの構造変化に影響をおよぼしていることを示唆している。
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