カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)は、感染者の免疫不全時にカポジ肉腫やB細胞性リンパ腫を引き起こす。KSHVは潜伏感染時に、潜伏感染関連核抗原(LANA)を発現する。LANAはウイルスDNAの維持を行うとともに、感染細胞の発がんに関与する。本研究により、LANAは脱ユビキチン化酵素(HAUSP)により安定化され、KSHVゲノムの維持・安定化を亢進させることを見出した。また、KSHV関連腫瘍を標的とした抗腫瘍化合物と抗KSHV化合物の探索を実施した結果、ジアシルトリスルフィドとC60フラーレン誘導体はKSHV感染B細胞性リンパ腫に対する抗腫瘍活性を有することを見出した。
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