研究課題
1)セロフェンド酸のin vivoでの作用検討セロフェンド酸の中枢神経系以外での作用を検討する目的で、ラット左冠動脈一過性閉塞モデルを用いた検討を行った。セロフェンド酸を虚血前と再灌流前の2回静脈内投与したところ、心臓における梗塞巣体積を著明に減少した。そこで、セロフェンド酸の心筋保護作用を検討する目的で、ミトコンドリアのATP感受性Kチャネルの阻害作用を有する5-HDの作用を検討したところ、セロフェンド酸による心筋保護作用は完全に消失した。以上の結果からセロフェンド酸はin vivoにおいて虚血性心筋障害に対して保護作用を発現し、保護メカニズムとしてmitoKATPチャネルの関与が重要であることが示唆された。2)Aβ神経毒性に対する保護物質の探索昨年度の検討でAβ42の毒性コンホマーは酸化ストレスを誘導すること、またAβの凝集が神経毒性発現に重要な役割を有することを明らかにした。本年度は、Aβ神経毒性に対して細胞保護作用を発現する物質の探索を行った。これまでに酸化ストレスに対して細胞保護作用を有する物質として青じそ由来のDDCを報告しているのでDDCのAβ毒性に対する作用を検討した。その結果、DDCはAβの凝集を抑制することでAβの神経毒性を抑制することを明らかにした。
3: やや遅れている
今年度に計画していたセロフェンド酸結合タンパク質の探索研究を行い、その結果を基に学会・論文での発表を行う予定であったが、結果として複数のタンパク質が候補となり、その中での絞り込みが行えていないため、計画を変更してセロフェンド酸に他の官能基を導入することで結合タンパク質の絞り込みを行うこととしたため。
上述のとおり、セロフェンド酸結合タンパク質の探索研究について効率よく研究を進める予定である。
セロフェンド酸の結合タンパク質の同定の研究が予定よりも遅れているため、それに用いた動物実験が予定通り行えていないため、未使用額が生じた。
本年度の未使用額に関しては次年度において動物購入および消耗品に使用し、研究の遅れを取り戻す予定である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (18件) (うち招待講演 2件)
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