研究課題/領域番号 |
24590116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
副田 二三夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (10336216)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 排尿障害 |
研究概要 |
本年度は、まず覚醒下における老齢マウスの排尿活動に対するエンリッチ環境と鎮咳薬の作用の詳細解析を行った。8ヶ月齢の老化促進モデルマウス(SAMP8)を用いて、以下の4群の処置を行った。A)エンリッチケージ(広い飼育ケージ (100x100x30cm)に遊具を配置)での5週間飼育、B)通常の飼育ケージでの5週間飼育:A)の対照群、C)非麻薬性中枢性鎮咳薬クロペラスチン(10mg/kg)の5週間慢性皮下投与、D)生理食塩水の5週間慢性皮下投与:C)の対照群。これらの動物は、研究代表者が所属する研究室で独自に開発した新規排尿活動測定システムを用いて、無麻酔・無拘束下における24時間の排尿活動を明暗サイクル条件下でリアルタイムに測定した。その結果、1. 24時間の最大尿流率は、スタンダード環境飼育群に比べ、エンリッチ環境飼育群で有意に低下した。2. 明時間の1回排尿量、平均尿流率、最大尿流率は、スタンダード環境飼育群に比べ、エンリッチ環境飼育群で有意に低下した。3. 暗時間の総排尿量、1回排尿時間は、生理食塩水投与群に比べ、クロペラスチンの慢性皮下投与群で有意に低下した。これらのことから、エンリッチ環境と鎮咳薬はともにSAMP8の排尿活動を抑制するが、その抑制作用の詳細は異なり、エンリッチ環境飼育は明時間、鎮咳薬は暗時間に選択性を示す可能性が考えられた。次に8週齢のC57BL/6Jマウスを購入し、スタンダード環境またはエンリッチ環境で4週間飼育を行った後、麻酔下シングルシストメトリーを行った。その結果、2群間で有意な変化は認められなかった。覚醒下においては、同様のエンリッチ環境飼育により、排尿機能に変化が認められていることから、マウスの排尿機能に対するエンリッチ効果は、中枢性の機序が関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は3ヶ月間の海外留学と時期が重なり、国内で研究活動を行う時間が減少したため。
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今後の研究の推進方策 |
エンリッチ環境は老齢マウスの休息期の排尿活動を抑制し、鎮咳薬は老齢マウスの活動期の排尿活動を抑制することがわかった。また、マウスの排尿機能に対するエンリッチ効果は、中枢性の機序が関与している可能性が示唆された。そこで今後は、エンリッチ環境、鎮咳薬、それぞれの排尿活動抑制作用に関与する中枢部位の同定、さらにその標的分子の同定を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外留学と時期が重なり、国内で研究活動を行う時間が減少したため、当該研究費が生じた。購入する予定であった動物などの物品費、旅費、動物の飼育経費として使用する予定である。
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