視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系持続的過活動はストレス脆弱性を惹起し、治療抵抗性うつ病を生じるが、GLP-2はこのモデルマウスで視床下部からのCRH放出抑制、及び海馬歯状回神経新生促進効果による抗うつ様作用を示した。ヒトでも適用できるように経鼻投与に適した構造を付加した経鼻投与用GLP-2誘導体は、中枢移行して治療抵抗性モデルマウスでも抗うつ様作用を示した。 また、GLP-2に学習改善作用と抗不安作用があること、及びHPA系亢進が大きく関与する高血圧モデルラットでの降圧作用機序も明らかにした。 HPA系の調節作用を有するGLP-2は、既存薬とは異なる新たな治療薬となる可能性が考えられる。
|