研究課題/領域番号 |
24590128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
長澤 一樹 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30228001)
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研究分担者 |
西田 健太朗 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (20533805)
松尾 剛明 立命館大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60612702)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 受容体 / P2X7 / アストロサイト |
研究概要 |
当該研究課題の目的は、P2X7受容体活性制御におけるスプライスバリアントの役割を解明し、表現型の異なるSJL系及びddY系マウスにおけるそれらの機能的発現変動並びにストレス負荷の影響について明らかにすることであり、今年度は、①SJL系及びddY系マウス由来培養アストロサイトにおけるP2X7受容体の機能的発現の比較、②P2X7受容体遺伝子塩基配列及び発現プロファイルの解析、③P2X7受容体及びスプライスバリアントの強制発現系の構築、そして④アストロサイトにおけるP2X7受容体及びスプライスバリアントの機能的発現に対する酸化ストレスの影響を評価するための実験系の確立を行った。 ①では、SJL系及びddY系マウス由来アストロサイトにおけるP2X7受容体の活性化の程度には差があり、それは前者における方が有意に高いことが示された。そこで②では、それら細胞におけるP2X7受容体の発現量及びその遺伝子の塩基配列を解析した。その結果、その発現量及び遺伝子塩基配列は両アストロサイト間で同じであった。しかしながら、そのスプライスバリアントの発現量について検討した結果、SJL系マウスアストロサイトにおけるスプライスバリアント-3及び-4のmRNA発現量は、ddY系マウスアストロサイトにおけるよりも顕著に少なく、これがP2X7受容体活性化程度の差を説明する可能性が示唆された。この結果に基づき③において、スプライスバリアント-3及び-4のcDNAを挿入したベクターを構築し、HEK293T細胞におけるそれらの機能的発現を確認すると共に、マウス培養アストロサイトにおける遺伝子導入条件の設定を行った。④については、酸化ストレスマーカーの変動を指標に、アストロサイトに対する種々の活性酸素種の暴露濃度及び時間を検討し、ストレス負荷条件を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りに進んでいるが、酸化ストレスの影響に関する計画のみ、実験系を確立した段階であるため、概ね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度では、平成24年度に得られた成績に基づき、P2X7受容体の活性制御におけるそのスプライスバリアント-3及び-4の関与を、HEK293T細胞及びアストロサイトへの遺伝子導入並びにその機能的発現を解析することにより明確にし、さらにスプライスバリアント発現への酸化ストレスの影響を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度からの繰越が327円計上されているが、これは試薬などの購入には不十分な額であったため、今年度へ繰越とした。これと合わせた研究費により、実験動物、研究用試薬などを購入し、上記研究計画を遂行する予定である。
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