インフルエンザウィルスのRNAポリメラーゼのサブユニットPANを標的とし、活性部位の金属イオンにキレートし機能阻害するジケト酸誘導体の構造基盤医薬品分子創製を計画した。水素結合受容基であるニトロ基あるいはカルボキシル基をもつフェニルあるいはビフェニルジケト酸誘導体を合成し、酵素阻害能を検討したところ、カルボキシル基をもつビフェニルジケト酸の阻害能が最も高かった。また得られたカルボキシル基を持つジケト酸誘導体の阻害能と分子ドッキングで得られた結合エネルギーとの間で良い相関が見られた。さらにPANのアポ体の単結晶を得ることができ、X線結晶構造解析を行うことが出来た。
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