研究課題/領域番号 |
24590144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
原口 一広 昭和大学, 薬学部, 准教授 (10218638)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヌクレオシド / オキセタン / グリカール / グリコシル化 / 抗ウイルス活性 |
研究概要 |
オキセタノイドグリカールの合成は、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)オキシ酢酸メチル(1)を原料に用いた。化合物1をリチウム ジイソプロピルアミド(LDA)によりリチウムエノラートとした後、ベンジルオキシアセトアルデヒドと反応させて得られるβ-ヒドロキシエステルをベンゾイル化し2を得た。次に、2をLDAによりリチウムエノラートとした後、ジメチルホルムアミド(DMF)と反応させ、生成したアルデヒドを水素化ホウ素ナトリウムで還元し、引き続く第一級水酸基のメシル化を経て3を得た。得られたメシレート3をナトリウムメトキシドで処理し脱ベンゾイル化すると、生成したアルコキシドによる分子内SN2反応による閉環反応が進行し、オキセタン4が得られた。オキセタン4の第三級水酸基を脱シリル化して5とした後、トリフルオロメタンスルホネート6とする。引き続き、スルホネート6を塩基で処理すると、より酸性度の高い2位の水素原子の引抜きと伴う脱離反応が進行し、目的とするグリカール7が位置選択的に得られた。 オキセタノイドグリカール7をN-ヨードコハク酸イミド(NIS)の存在下、シリル化したN6-ベンゾイルアデニンと反応させたところ、中間体として生成するヨードニウムイオンの2位への位置選択的なアデニンの攻撃が進行し、グリコシド8が得られた。得られた8に対してトリブチルスズラジカルを反応させ、引き続くラジカルアクセプターとの反応により、炭素鎖の分岐糖した誘導体9が得られる予定である。最後に、9のヒドリド還元と脱保護を行えば、標的化合物である3’-分岐糖オキセタノシンA 10の合成が達成される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
合成したオキセタノイドグリカールとシリル化された核酸塩基との求電子的なグリコシル化反応により得られるグリコシドを用い、分岐糖構造を有するオキセタノシン誘導体の合成を達成していないため。
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今後の研究の推進方策 |
合成したオキセタノイドグリカールと核酸塩基との求電子的なグリコシル化により得られたグリコシドを利用し、ラジカル的な炭素-炭素結合形成反応により3'位に炭素鎖が分岐したオキセタノシン誘導体の合成を検討する。 この結果を踏まえて、得られたグリコシドを活用しアノマー位が分岐した新規オキセタノシン誘導体の合成を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究発表のためのデータの整理およびスライドの作成を行うためにノート型PCおよびその設置台を購入する。それ以外は、消耗品の購入に使用する。
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