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2012 年度 実施状況報告書

化合物によるカテコールーOーメチル転移酵素の生成物阻害解除機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590148
研究種目

基盤研究(C)

研究機関日本大学

研究代表者

飯島 洋  日本大学, 薬学部, 教授 (30465281)

研究分担者 鈴木 守  大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (40280507)
高宮 知子  日本大学, 薬学部, 助教 (50513917)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードカテコールアミン O-メチル転移酵素 / COMT / S-アデノシルメチオニン / S-アデノシルホモシステイン / 生成物阻害 / 賦活化 / 腎障害
研究概要

COMTはS-アデノシルメチオニン(SAM)から生じるS-アデノシルホモシステイン(SAH)により、強い生成物阻害を受けている。賦活化物質はSAH存在下でもCOMT活性を上昇させる。そこで、賦活化物質がSAHとCOMTの親和性(結合定数)に影響を与えるかを検討した。
グルタチオン転位酵素(GST)との融合型蛋白質として発現させたCOMT(GST-COMT)を、グルタチオンセファロースに固定化し、SAHを加え、平衡状態での遊離のSAHを定量して、SAHとGST-COMTの結合定数を求めた。予想に反して、結合定数はCOMT活性賦活化物質の存在によって変化しなかった。一方、GST-COMTはCOMTよりも比活性が高く、COMTほど化合物の賦活化を受けないことも判明した。よって、化合物による親和性への影響は、COMTとSAHを直接的に用いた実験が必要である。現在、平衡透析法による解析を準備中である。
COMTの反応速度論パラメーターに化合物が与える影響を検討した。化合物存在化ではVmaxは二倍に上昇した。SAMに対するミカエル定数Kmも二倍に上昇したが、NEに対するKmはほとんど変化しなかった。COMTの反応がCOMT←→COMT/SAM←→COMT/SAM/NE→COMT/SAH/NMN←→COMT/SAH←→COMTというOrdered Bi-Bi機構であると考えると、Vmaxの上昇、Km(SAM)の上昇を引き起こすのは触媒回転数の単純な増加である場合である。さらにKm(NE)への影響が小さいのはNEのCOMTへの結合が弱いときである。現在さらに詳細な検討を行っている。
GST-COMT発現菌体を14L培養し40mgのCOMTを精製し、予備的結晶化実験に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

GST-COMTを用いる結合定数の決定には成功したが、化合物の影響は見られなかった。これは化合物が酵素の生成物阻害への影響はないことを示す可能性と同時に融合蛋白質ではその影響が観察できないことの二つの可能性を示唆している。そこで、COMTとSAHの結合定数を平衡透析法で調べる準備を整えつつある。
反応速度論解析も実施した。反応速度論解析からは化合物はSAHとCOMTの結合あるいは反応速度そのものの上昇という可能性を示した。上記の解析結果がでれば結論を導けると期待している。
COMTを大量精製し、結晶化に着手し、COMT-SAM-阻害剤の結晶を得るところまでは達している。現在、化合物,基質,生成物などの組み合わせで、複合体の結晶化スクリーニングを行っている。

今後の研究の推進方策

結合定数への影響については予想外の結果で結論を持ち越しているが、この過程を経て我々の実験の精度には問題がないことも確認でき、励みとなっている。
(1) 平衡透析法によるCOMTとSAH, SAMの結合親和性への賦活化物質の影響の検討
(2) 結晶解析の推進
(3) ドッキングシミュレーションによる化合物結合部位の予測
(4) 賦活化化合物スクリーニングデータに関する構造活性相関解析

次年度の研究費の使用計画

本年度の繰越金16万6840円  H25計画金額40万 計56万6840円
交通費 7万 ( 大阪ー東京往復 2回)
結合実験用 平衡透析 11万 (96データポイント):活性測定用HPLC 消耗品 イオン交換カラム(5ピース入り3万)X2=6万; 活性測定用HPLC 蛍光検出器 ランプ交換 4万: 賦活化化合物追加購入 18万: 溶媒 (アセトニトリル 蒸留水) 基質化合物(NE, SAM)  など 10万

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 化合物によるカテコール-O-メチル転移酵素の賦活化

    • 著者名/発表者名
      増田喬行、布施卓也、川島洋、宮川雅樹、髙宮知子、飯島洋
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜

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公開日: 2014-07-24  

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