本研究では、転写因子のφXXφφ、α―らせん転写活性化モチーフと結合する核内転写調節因子を、化学合成ペプチドおよびリコンビナントペプチドを用いることにより探索することを目的としている。 昨年度に引き続き、化学合成を行った各転写因子α―らせん転写活性化モチーフとリンカーであるpoly-Prolineロッドとのジスルフィド架橋形成によるヘテロダイマー「釣竿」の大量合成に取り組んだが、核内調節因子探索に必要な収量が得られなかった。 リコンビナントペプチドとしてGST融合α―らせん転写活性化モチーフを作製し、これらを釣竿としてJurkat細胞核抽出液と混合し、結合するタンパク質を探索したところ、SDS-PAGEでNF-κBp65TA2領域と特異的に結合する約27KDaのタンパク質が検出された。このバンドを切りだし、MALDI-TOF-MS/MSにより同定を試みたところ、このタンパク質はZNAF2503AS(Zinc-Finger Like Protein)であることが明らかとなった。
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