研究課題
前年度までの研究に引き続き,薬用食品素材より,肝細胞内中性脂肪量を低減することが出来る物質を広く機能性食品素材から探索した.本年度では,昨年度までの研究成果として得られていた,ローズヒップ,漢薬センキュウおよびカンカニクジュヨウに関する研究発表をおそれぞれ,第 68 回日本栄養・食糧学会大会,第 64 回日本薬学会近畿支部総会・大会および The 27th International Conference on Polyphenols (ICP2014) において報告した.センキュウに関する研究成果としては,センキュウに特徴的な成分として含有される senkyunolide 類が肝細胞内中性脂肪含量の低下作用を示すことを明らかにするとともに,抽出エキスに in vivo における肝臓中中性脂肪含量の低下作用を見いだした.現在,追加実験を進めるとともに投稿論文準備中である.また,ローズヒップ種子から得られた成分については,脂肪酸合成酵素 (fatty acid synthase (FAS)) の肝細胞内での発現を抑制するなど,その作用機序についても一部明らかにして報告している.また,カンカニクジュヨウから,得られた抗糖尿病作用成分としては,フェニルエタノイド配糖体成分である echinacoside および acteoside に糖負荷マウスにおける耐糖能改善作用を見出すとともに,インクレチン分解酵素である DPP-4 を阻害する作用が関与していることを明らかにした.
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)
J. Nat. Med., 68, 561―566 (2014).
巻: 68 ページ: 561―566
10.1007/s11418-014-0837-9