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2012 年度 実施状況報告書

抗癌剤としての非塩基性アミノ酸P1部を有する新規プラスミン阻害剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590154
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島国際大学

研究代表者

手納 直規  広島国際大学, 薬学部, 教授 (00535586)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードプラスミン阻害剤 / Warhead / ニトリル
研究概要

研究代表者は、プラスミンのペプチド性基質の構造を基にプラスミン阻害剤の構造活性相関を明らかにした。基本構造はwarheadとしてCN基を有し、阻害活性はmicroMレベルではあるが、選択性のある化合物を得た。この化合物とプラスミンとの複合体の結合予想図も含めた構造活性相関を報告した(Teno, N., et al. Bioorg. Med. Chem. Lett., 2011, 21, 6305-6309.)。更に、標的としてのプラスミンと相同性が高いプラズマカリクレインとサブサイトの相違点をCADDのモデリングにより検討し最近報告した(Gohda, K., et al. J. Enzyme Inhib. Med. Chem., 2012, 27, 571-577.)。
前者の報告を基にプラスミン阻害剤としては初の非塩基性P1部を持つ阻害剤への予備試験を行なった。Pheの芳香環がプラスミンのS2サイトに浅く相互作用していることが示されたため、Pheのパラ位に芳香環や疎水性脂肪族側鎖を導入し、今までにない阻害活性を有するペプチド性プラスミン阻害へと導いた。ここで開発したビルディングブロック(P3とP2残基)は、P1部である非塩基性を有する非天然アミノ酸合成後、P3とP2のビルディングブロックとして使用できる。新規の非塩基性を有する非天然型アミノ酸の合成は、有用な合成中間体を経て3種合成し、いずれも先のP3、P2のビルディングブロックと縮合後、阻害活性を測定した。結果は予想に反し、阻害活性は認められなかった。その要因は色々考えられ、それらを含めた結果は昨年J. Peptide Sci.,2012, 18, 620-625.に報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の物品費で購入した高速液体クロマトグラフィーの存在は研究結果(化合物合成~阻害活性測定にかかる日数)を得るまでの日数を削減した。分析~分取をパソコン上で切り替えを可能にしたことに起因する。
今後もこのクロマトシステムは大きな武器になるであろう。

今後の研究の推進方策

今年度見出したP3、P2のビルディングブロックは、非ペプチド性プラスミン阻害剤開発においてS3、S2サイトの情報を与えた。この情報を基に複素環をscaffoldに持ち、そのscaffoldからP1部、P2あるいはP3部を配置した新規非ペプチド性プラスミン阻害剤を探索していく。

次年度の研究費の使用計画

分取対応型のHPLCは、先にも述べたように研究推進に多大な威力を発揮している。ガラス機器もかなり充実しつつある。しかしながら、研究の性質上、多種多様な有機試薬や反応物を精製するためのシリカゲル基剤等が日常的に必要である。従って、これらの購入に当てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis and evaluation of tripeptidic plasmin inhibitors with nitrile as warhead2012

    • 著者名/発表者名
      Naoki Teno,* Tadamune Otsubo, Keigo Gohda, Keiko Wanaka, Takuya Sueda, Kiyoshi Ikeda, Akiko Hijikata-Okunomiya, Yuko Tsuda
    • 雑誌名

      Journal of Peptide Science

      巻: 18 ページ: 620–625

    • DOI

      10.1002/psc.2442

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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