研究概要 |
昨年、新規の非塩基性を有する非天然型アミノ酸(P1部)の合成は有用な合成中間体を経て3種合成し、いずれも先のP3、P2のビルディングブロックと縮合後、阻害活性を測定した。結果は予想に反し、阻害活性は認められなかった。それ理由としては、これら阻害剤の大きな特徴であるP1残基に配置されているwarheadにより空間配置が固定され非塩基性基がS1サイトに入り込めないことに由来するであろうと考えられる。今年度、ここで得られた結果を基に、scaffold上にP1部と他のサブサイトと相互作用する官能基(P2, P3またはP4部)を置き、全く新規の非ペプチド性プラスミン阻害剤の開発に成功した。また、P1部とP4部を持つ阻害剤が阻害活性を発揮することは、プラスミン阻害剤では全く初めての事実である。これらの結果は、Bioorg. Med. Chem., 2014, 22, 2339–2352.に報告した。
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