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2012 年度 実施状況報告書

代謝活性化を考慮した医薬品のin vitroアレルゲン性試験法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590157
研究種目

基盤研究(C)

研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

黒瀬 光一  国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 室長 (30280754)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードインビトロ試験法 / 薬物アレルギー
研究概要

薬物アレルギーは時として重篤な副作用を引き起こすことから、非臨床開発過程においてそのアレルゲン性を検討することが望ましい。しかし、アレルゲン性試験に関して準拠すべき指針は無く、また、信頼性の高い試験法も無いことから、ヒトにおけるアレルゲン性を効率的に予測可能な試験法の開発が熱望されている。そこで本研究では、ヒト単球由来のTHP-1細胞を用いて、医薬品に対する簡便なin vitroアレルゲン性試験法を確立するための基盤的研究を行うことを目的とする。本年度は、アレルゲン性マーカーとなり得るT細胞補助刺激分子あるいは接着分子のCD86、 CD54の遺伝子発現制御領域のクローニングと発現応答、および、安定発現用Episomal型ベクターによるCYP3A4安定発現株の樹立を試みた。
1.CD86、 CD54の遺伝子発現制御領域のクローニングと転写活性の解析
In vitro アッセイ系として使用するヒト単球由来のTHP-1細胞より抽出したゲノムDNAを用いて、CD86、CD54遺伝子の上流転写制御領域それぞれ7.9kb、7.2kbをルシフェラーゼレポーターベクターにクローニングした。さらに5’ 欠失変異体を作成し,レポータージーンアッセイを行ったところ、CD86、CD54それぞれ7.9kb、7.2kbまでの領域に陽性感作性物質に対する応答性が認められた。
2.安定発現用EBV-based Episomal型ベクターによるCYP3A4安定発現株樹立の試み
多くの医薬品代謝に関わっている代表的なCYP分子種であるCYP3A4をTHP-1細胞に安定発現させるために、Episomal型ベクターであるpEBMultiを用いてCYP3A4発現プラスミドを構築し、G418選択培地にて安定発現株樹立を試みたが、継代を重ねるごとにプラスミドの脱落が生じ、安定発現株は得られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画に従い、まず、感作性物質に対する応答性の認められる一過性ルシフェラーゼレポータープラスミドを構築し、解析を行ったが、発光強度が全体的に低く、この点の改善が必要と考えられた。そこでTHP-1細胞へのトランスフェクション条件の各種設定試験、レポーターベクターにクローニングする転写調節領域の検討、ルシフェラーゼアッセイ条件の各種検討を詳細に行ったため計画に遅れが生じた。また、EBV-based Episomal型ベクターを用いた安定発現株を得るための各種条件設定に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

CD54、CD86あるいは、アレルゲン性マーカーとしてより適切な分子の発現応答を指標としたレポーターアッセイ系の安定発現株をTHP-1細胞により樹立するとともに、代謝酵素CYPの安定発現株を樹立し、医薬品の代謝を考慮したアレルゲン性検出系を開発する。また、当初予定したEBV-based Episomal型ベクターを用いた安定発現株が、THP-1細胞には適用不可能なことが判明したため,従来法による安定発現株の樹立を目指す。

次年度の研究費の使用計画

研究代表者の所属機関の変更に伴い、当該研究に必要な機器等の購入が新たに必要となる。それ以外の点に関しては当初の使用計画に大きな変更はなく、消耗品、学会参加のため旅費、及びその他(論文投稿料等)であり、本研究遂行において必須の経費である。消耗品に関しては、実験のための試薬や培地とチューブやプレートなどの実験器具の購入に充てる。

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公開日: 2014-07-24  

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