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2013 年度 実施状況報告書

代謝活性化を考慮した医薬品のin vitroアレルゲン性試験法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590157
研究機関東京海洋大学

研究代表者

黒瀬 光一  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (30280754)

キーワード薬物アレルギー / インビトロ試験法
研究概要

薬物アレルギーは時として重篤な副作用を引き起こすことから、非臨床開発過程においてそのアレルゲン性を検討することが望ましい。しかし、アレルゲン性試験に関して準拠すべき指針は無く、また、信頼性の高い試験法も無いことから、ヒトにおけるアレルゲン性を効率的に予測可能な試験法の開発が熱望されている。そこで本研究では、ヒト単球由来のTHP-1細胞を用いて、医薬品に対する簡便なin vitroアレルゲン性試験法を確立するための基盤的研究を行うことを目的とする。本年度は、アレルゲン性マーカーとなり得るCD86、 CD54遺伝子のレポータージーンアッセイ用安定発現株の樹立、および、薬物代謝酵素CYP3A4の安定発現株の樹立を行った。
1.CD86、 CD54遺伝子のレポータージーンアッセイ用安定発現株の樹立
レポーターベクターpNLuc3.1にZeocin耐性遺伝子を導入し、これに昨年度クローニングしたCD86及びCD54の遺伝子発現調節領域を組み込んだレポータージーンプラスミドを作成した。Zeocin選択培地を用いた限界希釈法により、各々安定発現株を得た。感作性物質応答性を確認し、その中で応答性の高いクローンを数個得た。
2. CYP3A4安定発現株の樹立
多くの医薬品代謝に関わっている代表的なCYP分子種であるCYP3A4をTHP-1細胞に安定発現させるためにpIREShyg3ベクターを用いてCYP3A4発現プラスミドを構築し、Hygromycin選択培地にて限界希釈法を行い、CYP3A4安定発現株を樹立した。RT-PCR法によるCYP3A4 遺伝子発現を確認し、また、CYP3Aに特異的なミダゾラム水酸化活性の確認、および、P450-Glo CYP3A4 Assayを行い、THP-1/CYYP3A4安定発現株がCYP3A4活性を有することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、EBV-based Episomal型ベクターを用いた安定発現株の作成を計画していたが、継代を重ねるごとにプラスミドの脱落が生じた。この点を解決しようと試行錯誤したが、解決できなかったので、薬剤選択培地および限界希釈法による安定発現株の作成に切り替えたため、時間を要した。

今後の研究の推進方策

より適切なアレルゲン性マーカー分子の発現応答を指標としたレポーターアッセイ系を構築するとともに、薬物代謝酵素CYPの安定発現株を用いて、医薬品の代謝を考慮したアレルゲン性検出系を開発する。また、レセプト情報からアレルギー性副作用頻度情報を解析し、その情報を基に被験物質の試験を行い、試験法の判定基準を設定する。

次年度の研究費の使用計画

進行がやや遅れているため残額が生じた。
研究代表者の所属機関の変更に伴い、当該研究に必要な機器等の購入が新たに必要となる。それ以外の点に関しては当初の使用計画に大きな変更はなく、消耗品、学会参加のため旅費、及びその他(論文投稿料等)であり、本研究遂行において必須の経費である。消耗品に関しては、実験のための試薬や培地とチューブやプレートなどの実験器具の購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Human Cell Line Activation Test (h-CLAT)の医薬品のアレルゲン性評価試験法としての応用2013

    • 著者名/発表者名
      宇梶真帆、杉山永見子、中村亮介、斎藤嘉朗、打田光宏、土屋敏行、黒瀬光一
    • 学会等名
      第20回日本免疫毒性学会 学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130912-20130913

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公開日: 2015-05-28  

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