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2012 年度 実施状況報告書

マクロファージによるシリカ粒子貪食および炎症誘導機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24590158
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

中山 勝文  東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20453582)

研究分担者 小笠原 康悦  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードシリカ粒子 / マクロファージ / 炎症 / 肺炎
研究概要

シリカ粒子の長期大量暴露はじん肺を引き起こす危険性がある一方で、そのナノ粒子は新たな化学工業製品や医薬品の材料として期待されている。したがって、粒子径等の物性の異なるシリカ粒子が人体に及ぼす影響についての評価系の構築は急務である。本研究では、シリカ粒子の免疫毒性を評価する一環として、シリカ粒子の物性(粒子径、粒子数、および濃度)がマウス免疫系に与える影響についてin vitroおよびin vivo実験により解析した。粒子径3 μm~10 μm のシリカ粒子に比べ30 nm~1 μm粒子径のシリカ粒子に対してマウス骨髄由来マクロファージは極めて強い炎症応答(インフラマソーム活性化およびIL-1β産生)を示した。さらにシリカ粒子径の違いにより肺炎の重症度が異なるか否かを検討するために粒子径30 nmあるいは3 μmのシリカ粒子をC57BL/6マウス気管内投与し、肺胞洗浄液中サイトカイン測定および肺病理解析を行った結果、3 μm よりも30 nmシリカ投与により極めて激しい肺炎が起きることが明らかとなった。以上の結果から、粒子径1 μm以下のシリカ粒子は起炎性が高いことが示唆される。本研究成果は2012年12月に神戸で開催された第41回日本免疫学会総会にて発表し、現在論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画は、H24年度に炎症作用の強いシリカ粒子を用いてその受容体のスクリーニングを開始することであったが、予想に反して粒子径の小さなナノ粒子が強力な炎症作用を有することが判明したため、そのメカニズム解析に時間を要した。そのため、スクリーニング開始には至っていないが、その代わりにシリカの粒子径の違いが炎症作用に与える影響について詳細に解析し、その成果を学会発表し、さらに論文投稿中であることから、おおむね順調に進展していると評価できる。

今後の研究の推進方策

これまでにシリカ粒子径の違いが炎症作用に与える影響について詳細に解析し、現在論文投稿中であるため、当面はその論文が受理されるために必要な実験および論文作製等を行う。論文が受理された時点で、シリカ受容体のスクリーニングに取りかかる。

次年度の研究費の使用計画

該当なし。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibitory receptor paired Ig-like receptor B is exploited by Staphylococcus aureus for virulence2012

    • 著者名/発表者名
      Nakayama M, Kurokawa K, Nakamura K, Lee BL, Sekimizu K, Kubagawa H, Hiramatsu K, Yagita H, Okumura K, Takai T, Underhill DM, Aderem A, Ogasawara K
    • 雑誌名

      Journal of Immunology

      巻: 189 ページ: 5903-5911

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1201940

    • 査読あり
  • [学会発表] Trogocytosis-mediated generation of regulatory MHCII-dressed NK cells2012

    • 著者名/発表者名
      Nakayama M, Takeda K, Nakamura K, and Ogasawara K
    • 学会等名
      第41回 日本免疫学会総会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20121205-20121207
  • [学会発表] Effect of particle size of silica on macrophage inflammatory responses2012

    • 著者名/発表者名
      Kusaka T, Nakayama M, Nakamura K, and Ogasawara K
    • 学会等名
      第41回 日本免疫学会総会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20121205-20121207
  • [備考] 東北大学加齢医学研究所ホームページニュース「細菌と免疫系との新たな攻防メカニズムを解明しました」

    • URL

      http://www.idac.tohoku.ac.jp/ja/activities/info/news/20121221/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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